結局プルオーバー

二転三転します

もしかしてこれから伴侶と呼べるんじゃないか

プロポーズをした。

もうじき入籍する。

 

なんだか奇妙な感じだが、思っていたよりしっくりきている自分はなかなか気に入っている。

 

この先一緒に生きて、同じ墓に入ることがとてつもなく不思議な感じがする、そんな話をしていると、彼女が言う。

 

「同じ墓に入るけど、自分の骨の一部は実家に入れてほしい。」

 

今すごい話をしているな、と思った。

やれ戸籍謄本を取るだ、やれ前撮りをするだ、いわゆる「これからの話」はたくさん出るし、そりゃしなきゃいけないよな、なんて一丁前に考えていたが、死後の話にまで行き着くことは、情けない話あんまり考えていなかった。

 

「もちろん大丈夫だよ。俺もそうしてほしい。」

彼女の考えに驚いたことを気取られまいと即座に答える。一体誰に虚勢を張っているのか分からない。

自らの想像力の無さはいとも簡単に棚に上げてしまう性分だ。

この山積みの棚から荷物を下ろせる時は来るんだろうか。

 

やるべき事は続々と浮かび上がるが、年始の休みを利用してゲームを買った。

ゲームは「これからの話」においては、かなり優先度の低い項目だ。

だからこそやる。

 

この極薄の背徳感を外すことが出来て、初めて大人になれるような気がする。

そう思いながら夜は更け、気づけば朝の5時になっていた。

冬の日の出は遅い。

感性が鈍くなっていく

山田亮一氏の諦念と希望が入り混じった詩がどうしようもなく好きだ。

土曜の朝、実家に帰る道すがら、ハヌマーンを聴きながらふと思った。

 

ハヌマーン「幸福のしっぽ」「トラベルプランナー」バズマザーズ「恋文は下駄箱の中」

10代の自分に色濃く影響を与え、やがて血肉となった楽曲たち。

活動を休んで久しいけど、世界のありとあらゆるところに彼の言葉に取り憑かれ生霊となった連中がいて、かつてせせら笑った社会で息をしているのかと思うと胸がじんわりと熱くなるし、そもそも息の仕方を教えてくれたのも彼だと思っている。

ありがたいと思う。

 

彼の姿がまた見れる日を気長に待ちたいな、なんて思った。

 

余談。

ナンバーガールに影響を受けて〜」なんて枕詞がよく使われるが、京都音博で初めて彼らを目の当たりにした時、いやこりゃギター持つわ、と思った。

火ではなく煙を眺める

職業に貴賤がないとは言うけれど、何が正しいんだろうと思うことがある。職業柄、公平公正を求められることが多いけど、やっぱり建前だよなあなんて考えてしまう。

 

何をするでもなく休日が過ぎていくことが続いていて、さすがにどうかと思って散歩をしてみた。

 

さてどこに行こう。

 

家から30分ほど歩くと、大きな神社がある。

 

家を出て少ししてから目的地が決まった。

 

その神社は結構大きなところで、公園や図書館も併設している。本を読まなくなってしまっていたから、前から図書館には行こうと思っていた。

ところが距離が絶妙に遠い。自転車を持っていないし駐車場もないとのことだったので歩いて行くには少し億劫で、なにかと理由を拵えて行けずにいた。

 

こんな気持ちになることもないし、よく晴れていたので歩いて行ってみる。

Bluetoothのイヤホンを着けると、電源が残り少ないとアナウンスが入る。

そう言えば金曜日に50%くらいになっていた。充電するのをつい後回しにしていたツケをここで払わされるとは思ってもみなかった。

こんな形で平日の俺が休日の俺を苦しめるとは、と少し憂鬱になりながらも歩いていくと、やっぱり30分ほどで着いた。

 

図書館は9時半から開館で、いま9時前。

せっかくだし神社を歩いて回ってみる。ぽつぽつと歩きながら不意にスマホに目をやると、イヤホンの電源がかなり少なくなっていることに気づく。

帰り道に聴けなくなってしまっては元も子もないので、イヤホンを外すことにした。

 

外した瞬間、鳥の囀りが耳に入ってきた。

鳥の囀りだ、と意識したのは久しぶりな感じがした。日常的に聴いてはいるのだろうけど、あまりはっきりと耳に入ってくることはないように思えて、しばらく色々な音に耳をそば立ててみることにした。

 

程なくして、境内の掃き掃除をしている女性が目に入った。

規則的に枯葉を掃く音はとても心地いい。

少し前に箒を買って、たまたま昨日家の掃き掃除をしたところで、枯葉をしっかり集める姿がとても綺麗に思えた。

 

彼女が掃き掃除をしていると、すれ違う何人もが彼女に挨拶をしていく。

こういう形の感謝の伝え方もあるのかなと思った。

会社の掃除をしてくれる清掃員の方に、「いつも綺麗にしてくれてありがとうございます」と伝えようか伝えまいか、異動してきてからずっと考えている。

別に向こうも仕事だし、と言えばそれまでだが、当たり前の環境を当たり前に整えてくれることはありがたいことだと思う。

せめて挨拶はきちんとしようと思った。

 

規則正しく枯葉を集める姿を見ながら、今年度の予算がもう無くなりかけていて、来年度にいくら持ち越そうか考えている平日の俺って何なんだろうと思った。

もうちょっと今後について考えなきゃな、と思ったところで時計を見ると、もう9時40分になっていた。

貸出カードって免許証で作れるのかな。

図書館に行こう。

未来

もしかしたら、終わってしまうかもなあと思って、心の準備をする事がある。

 

直近で、尚且つ一番大きなもので言うと、友人の死。

 

手紙を見つけて、ああもう駄目だ、見つからないんだろうな、死んでいるに決まっている、沈みすぎないようにしよう、そう言い聞かせて、心の準備をしていた。

で、実際に一報が届いたら、何のことは無い、やっぱりひとたまりもなかった。何もかも分からないことしかなかった。

 

辛い想像、悲しくなるであろう自分や周囲、沈むテンション、心持ち、あれやこれやと想像をしてその時が来るのを備えてみても、現実にはどうやっても抗えない。

 

赤い公園、解散。

 

出演する予定だったcountdown  japanが中止になって、もしかしたら「解散」という未来があるかもな、なんて考えてはいたけれど、やっぱりいざ降りかかると重さに耐えきれず脆くも崩れ落ちてしまう。

 

なかなかまとまらない。

 

しばらく、考えてみようと思う。

灯りの在処

2月に入り、依然として寒気は猛威を振るっており、マフラーでは隠し切れない顔面の広さを憎む今日この頃。

夜は寝付きが悪くなるし朝は布団から出られないし、いい加減にご勘弁願いたい。

 

とはいえ、寒気が何の役に立たないのかと言われると、当然そんなこともないわけで。

 

手を握る理由になるとか身を寄せ合う機会が増えるとかそういう浮ついた話ではなくて、単純に外で吸う煙草がうまい。

雪が降る中で奥歯をガタガタ言わせながら煙草を吸っていると、寒くて泣きそうになるし苦痛でしかないけれど、ほんのちょっとの楽しさが手元に残る。

 

特に私は常日頃から怠惰な生活を送っているから、日常のそういった些細な刺激でさえ大層尊いものに感じる。

屋外で感じる身も凍るような寒さと、奥歯をガタガタ言わせて寒い寒いとボヤくちょっとした悪事、天秤にかけるまでもなく前者を優先するべきだ。

薄着は健康に良くない。

風邪でも引いたらどうする?

大体、煙草は健康に良くない。

 

 

「何がそんなに面白い?」

 

 

あー。はい。

分かっちゃいるけどやめられないんですー。

 

 

良くも悪くもそういう生活を選択し続けて生きてきたから、こればっかりは仕方のないことなんです。

 

些末なことに対して許せないと判断したらフルスロットルでキレること、今年度中に治るだろうか。

 

若干の苛立ちと生きづらさを抱えながら煙草に火をつけると、時折これまでのことを振り返ってしまう。

 

キャンプに行ったこと、コーヒーを飲みながらベランダで話したこと、早朝のパーキングエリアでこの先の旅路に思いを馳せたこと、かつての思い出たちはこの機を逃すものかと忙しなく脳内を駆け回る。かと思えば、何の前触れもなく突然疲れて眠ってしまう。

 

中には、そのまま息を引き取ってしまう者もいる。

 

季節の移り変わりよりも少し早く、私たちは思い出を忘れていく。

 

絵画のように、記憶を額縁に入れて飾っておきたいと思う日さえある。

 

それくらい、忘れたくない。

これまでの私は、記憶を飾るなんてダサい真似しないで死ぬまで覚えてりゃいいんだよバーカ、なんて虚勢を張っていたが、どうも当人が不在だとそうも言っていられなくなる。

 

せっせと日々を過ごし、死との向き合い方もそれなりに分かってきたつもりだけど、たまに感傷的になる時がある。どうしてもある。

冬は、特に。

 

喫煙所でライターを忘れたて(あるいは失くして)、近くの人に借りる時のムーブが年々上手くなっていく。

こんなんさ、上手くなってどーすんの。

 

 

ライターを忘れてもひとり。

 

これ、チラ裏にでも書いとくから後で見といてよ。

年が明けて

準急と特急を平気で間違える27歳。

 

これでいいのかと思うことが増えた。

 

音楽のこと、映画のこと、小説のこと、アニメのこと、服のこと、食事のこと、旅行のこと、ラジオのこと、好きなものは増え続ける一方だけどどれも中途半端。

政治のことや社会のこと、仕事のことに興味はいまだ湧かないまま。

 

見栄と欲を張らずにはいられない飽き性の私の2021年はどうなっていくのか。

 

頑張ります。

pray

かなり気が滅入ってしまっていましたが、なんだか少し励まされました。

すごい人だったんだなと、また思い知らされました。

 

ありがとう。本当にありがとう。

これからも、ずっと大切にしていきます。

 

彼女たちの未来が一粒でも多くの幸せで溢れますように。

 

 

 

https://youtu.be/CfM8cAI2v24