もしかしてこれから伴侶と呼べるんじゃないか
プロポーズをした。
もうじき入籍する。
なんだか奇妙な感じだが、思っていたよりしっくりきている自分はなかなか気に入っている。
この先一緒に生きて、同じ墓に入ることがとてつもなく不思議な感じがする、そんな話をしていると、彼女が言う。
「同じ墓に入るけど、自分の骨の一部は実家に入れてほしい。」
今すごい話をしているな、と思った。
やれ戸籍謄本を取るだ、やれ前撮りをするだ、いわゆる「これからの話」はたくさん出るし、そりゃしなきゃいけないよな、なんて一丁前に考えていたが、死後の話にまで行き着くことは、情けない話あんまり考えていなかった。
「もちろん大丈夫だよ。俺もそうしてほしい。」
彼女の考えに驚いたことを気取られまいと即座に答える。一体誰に虚勢を張っているのか分からない。
自らの想像力の無さはいとも簡単に棚に上げてしまう性分だ。
この山積みの棚から荷物を下ろせる時は来るんだろうか。
やるべき事は続々と浮かび上がるが、年始の休みを利用してゲームを買った。
ゲームは「これからの話」においては、かなり優先度の低い項目だ。
だからこそやる。
この極薄の背徳感を外すことが出来て、初めて大人になれるような気がする。
そう思いながら夜は更け、気づけば朝の5時になっていた。
冬の日の出は遅い。